白鵬がまたも一人横綱に

言わずと知れた横綱白鵬が横綱に昇進したのは2007年名古屋場所。

2010年3月場所から2012年9月場所までの15場所は本当に一人横綱だったが、この一人横綱の期間は相撲界にとって危機的な時期で、

・野球賭博問題

・八百長問題

・東日本大震災(相撲界だけの問題ではないが)

とまあ、これだけの危機的状況だった時期に白鵬は一人横綱として君臨していたわけだが、

2010年3月場所からの4場所連続全勝優勝を挟む、63連勝もこの時期にあった。

しかし、野球賭博問題のためだが、2010年名古屋場所は外部表彰もなくなり、インタビューも中継で放送されなかった。

優勝してもお祝いムードにならない、優勝の価値が半減するような優勝をしているのである。


優勝の価値が半減する優勝を再びしているように見える。

2017年九州場所。日馬富士暴行問題によって角界が揺れている。さらには当事者日馬富士に限らず、稀勢の里、鶴竜の3横綱が引退の危機にいる。

白鵬一人横綱時代。揺れる角界。


確かに白鵬にとってみれば優勝は今場所優勝すれば40回もしている「当たり前のこと」なのかもしれない。それゆえ、白鵬が「価値の半減した優勝」を持っていくのが、他の誰かが優勝を持っていくことに比べて悲劇は小さいのかもしれない。


だが、そういう危機を超えた先には、相手力士が勝って万歳をされることさえ生まれている。(cf. https://www.youtube.com/watch?v=9yCT0RZgiUw )


優勝回数、ストレート給金がそれぞれ40回台に乗り、全勝も10回以上、連勝記録、横綱在位期間、横綱連続出場回数、連続勝ち越し...

早熟記録からピークの高さ、長寿系記録に至るまで、相撲の記録という記録に名前を載せた。


おそらく何十年も経っても生き続けるだろう記録の数々だ。あるいは今生きている人たちが皆死んだ遠い未来では「伝説の横綱」と言われてしまうかもしれない。


引退してから「あの頃は良かった」として評価されるだろう。ただ、本当に苦労してやっているのは現役をしているこれまでなのであり、今なのであり、引退するまでなのである。


優勝に次ぐ優勝を重ね、伝説をひたすら作り続けている今のうちに伝説を大事にしたいと思う。

てんそるたんの物理日記

つくばはKEKで理論物理をやってる学生。M2。 専門(?)は一応今は弱測定とか量子推定(になるのかなぁ?)。 微妙にストリングやってみたり、CFTやってみたり場の量子論いじってみたり、 Entanglement Entropyの界隈に首突っ込んでみたり気儘にやって大丈夫かお前って感じになってます。

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