レジェンド世代と暗黒世代
テニスでBIG4というと
・ロジャーフェデラー(1981年生まれ)
・ラファエルナダル(1986年生まれ)
・ノバクジョコビッチ(1987年生まれ)
・アンディマレー(1987年生まれ)
である。フェデラーを除いて1986,87年生まれ。彼らが男子テニスで10年リードしてきたことを思えば黄金世代というのは間違いない。
というか、残した記録が伝説的でなんらかのことで「レジェンド」などと呼ばれることもあるわけで「レジェンド世代」とでもいうべきかもしれない。
テニスだけがそういうレジェンド世代を持っているわけではない。相撲に移る。
68代横綱朝青龍(1980年生まれ)
69代横綱白鵬(1985年生まれ)
70代横綱日馬富士(1984年生まれ)
71代横綱鶴竜(1985年生まれ)
72代横綱稀勢の里(1986年生まれ)
朝青龍が1つ上の世代で一定期間君臨したのち、白鵬らの世代が引っ張るという図といい、その生まれ年といい、テニスとなぜか似ているものがある。
どちらのスポーツでも共通して高齢化と世代交代の失敗が言われる。
すなわち、90年前後生まれ世代が不作なのである。
テニスでは例えば錦織あたりか。日本人としては記録づくめだが、トップ選手の交代にまでは絡めなかったと言わざるを得ない。まだ選手生活が続いているとはいえ、これからトップに立ってもズベレフあたりの台頭を抑えられるとも思いづらい。
相撲では高安あたりだろうか。高安は大関だが大関昇進が28歳。
白鵬は横綱に22歳で昇進しているし、晩成型で有名な千代の富士でさえ25歳での昇進であり、やはり遅い。
さて、この世代交代の失敗は単なる偶然なのか。それとも何かしら背景事情があるのか。それはよくわからない。ただ、過去を見ても伝説的に活躍した人を引き継ぐ後継者が不作で、その不作に助けられる効果があったのか、より伝説が際立つという状況が見て取れることが多くある。
wikipediaなどというものにそれを明確に書かれている事例が58代横綱千代の富士の世代交代のケース。千代の富士の引退時の年齢は35歳。相撲業界ではピークは20代中盤くらいになることが多い中で、30歳過ぎてから活躍を重ねた千代の富士だが、20代中盤は北の湖がまだ勢いのあった頃で、千代の富士在位の間に昇進した横綱は数多いが20代後半で引退してしまうなど10歳下あたりまで「不作」がちで、千代の富士引退後軒並み引退して横綱空位になってしまう。空位後初の新横綱は64代横綱曙だが、千代の富士引退時21歳。
一方で、強い後輩の突き上げにより記録が矮小化してしまったのではないか、と思える例もある。やはり朝青龍から白鵬への世代交代というのは朝青龍にとっては優勝の難易度を引き上げて優勝回数を幾分目減りさせたのではないだろうか。
というものの、これは逆に白鵬側からみたほうが、「優勝の難しさ」を見て取れる。
2009年、この年白鵬は86勝している。というよりは、4回しか負けていないというべきだろうか。さらに、2つ以上土をつけた場所がない。
つまり、2009年は白鵬は一年を通して14勝以上のハイレベルを保っていた。
では年間優勝回数はというと。3回。2回は朝青龍に取られ、残りは日馬富士にとられている。2009年の相撲界は過去最もハイレベルな優勝争いを繰り広げていた。
ともかくも、白鵬は優勝40回を目前にしている。しかし、いまだに2場所連続優勝を平然と成し遂げてくれている。横綱昇進は多くの力士において「ピーク」になってしまい、そこからは下り坂。白鵬は横綱在位10年過ぎても「これから昇進する」基準を満たしているというのである。
最後の連覇から引退までの間に1回も優勝しない横綱もいるが、5回以上優勝している横綱もいる。後者は世代交代がうまく行ってライバルの存在によって分断されているという感じが強い。
相撲やテニスを見ていると自分は暗黒世代という認識を持つ。物理で黄金世代になるんや!といって奮い立たねばならない
0コメント